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水蜜桃の刻
第20章 蜜刻
「待っ……」
言いかけた言葉はすぐに唇に塞がれた。
開いたままの唇に、ぬるりと先生の舌が入り込んでくる。
ん、と思わず先生の腕に掴まった。
先生はそのまま私の服が脱がし、ブラさえもするりと器用に剥ぎ取る。
「んっ、く……っ……」
舌を深く絡められて、吸われて。
頭の芯からとろけてくるような感覚に力が抜ける。
ただもう私は、裸の上半身を先生に晒しながら、その手と、指先と、唇に翻弄され続けていた。
やがて解放された唇。
は……と乱れた息を吐きながら、先生を見つめる。
先生の目の奥が、ゆらゆらと揺れている。
私を映している、その目が。
「……透子のせいだよ」
不意に先生が呟いた。
そして私の首筋に唇を埋める。
同時に膨らみにふれてくるふたつの手。
撫でられただけなのに、もう、高まっている自分の身体は制御不能に陥っているかのように、勝手にびくびくっと揺れる。
「っや、ん……!」
力なく首を振れば
「透子が俺の箍(たが)を外したから」
そう……またそんなふうに私のせいにする。
溜め息混じりに、意地悪……と呟いた。
先生には聞こえているのかいないのか、愛撫の手が……唇が止まる気配はない。
でも私だって本気で言ったわけじゃない。
そう、そんなふうに自分のせいにされるような言い方は、先生の想いが私にあると知った今では、むしろ心が疼くほどの嬉しさを伴う。