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水蜜桃の刻
第20章 蜜刻
そうして。
先生の揺さぶりに、その突き上げに、次第に気が遠くなっていく。
それほどまでの、身体の快楽。
繋がっていることに対しての、心の快楽。
私の口から発せられるのは、もはや悲鳴に似た喘ぎだけ。
先生の汗が、私の頬に落ちた。
私の汗と、混じり合った。
透子──先生が苦しそうに私の名を呼ぶ。
私も、先生の名前を呼び続けた。
迫り来る絶頂の中、壊れた何かのように、忍、と……それだけを口にし続けた。
先生。
……忍先生。
私の。
私だけの、先生────。
……ああだめくるっ──そう思った直後、身体が痙攣した。
それはとても深い絶頂で、思いっきり全身に力が入った。
なかにある先生のものを容赦なく締めつけてしまい、先生が堪えきれなかったかのように、マジかよ、と呟きを漏らす。
「……んな、締めんな……っ……!」
そんな言葉を吐き捨てるように口にし、痙攣が止まらない私の身体に倒れ込むようにしながら、強く抱きしめてくる。
それはまるで先生の方が私に縋るかのようだった。
耳元に落とされる荒い息。
たまらなさそうな、呻き。
痙攣する、先生のもの。
先生────……。
……ふっ、と私の意識はそこで途切れた。
その蜜に。
深い想いに溺れてしまったかのような圧倒的な幸福感を身体に……そして心に刻みつけられた、その瞬間に────。