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呪いのしるしを、君の体に。
第3章 3
「美味しい…」
「良かった。君は、正直者だね」
それにことりは首を横に振った。
「正直じゃないです。いつも天邪鬼なことを言って、気に入らないことは相手が男だろうと論破しちゃいます。
この間一緒にいた友人には、もう少し可愛くしないと彼に愛想尽かされるとまで言われました」
そうなんだ、と高槻はニコニコしながら、ことりの正面に座った。
クッキーを1つ取り出して、ぽりぽりと食べる。
テレビの中の人間が目の前にいることを、ふと急に思い出して
ことりの心臓が緊張でドキドキと脈打ってしまった。
「どうしたの?」
「いえ、なんでも…」
「正直者の水島さん。ちゃんと言ってごらん」
甘いマスクでそう柔らかに言われると、なんだか逆らってはいけないような気持ちになって
ことりは素直に口を開いた。
「芸能人が目の前にいるから、ちょっと緊張しちゃいました」
その一言を聞くと、高槻は一瞬動くのをやめて
そのあとケラケラと笑いだした。