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呪いのしるしを、君の体に。
第3章 3
高槻の締め付けに、ことりは頭が困惑した。
「苦しい? このまま締め付け続ければ、君は確実に酸素不足で気を失う」
高槻のもう1本の手がことりの唇に伸びる。
唇を触ったかと思うと、指を中に入れた。
パニックになったことりは、とっさにその指を噛んだ。
しかし、高槻はビクともしない。
「いいね。暴言も痺れるけど、君のその反逆的な態度はもっと良い。
所で、君は今、お金に困っているって言っていたね」
高槻の唇が、耳から首筋に移る。
息が、ことりの首筋にかかった。
ことりの体がびくんと小さく震えたのを、高槻は見逃さない。
「ちなみに、僕も今、困っているんだ。
女にじゃないよ。
お金の使い道も困っているんだけど
ここの別荘で雇っていたハウスキーパーが、実は辞めてしまって」
高槻の唇が、ことりの首筋に触れた。
「んっ」
その反動の一瞬の隙に、高槻の指はことりの喉の奥まで入れられた。
そのまま、舌を指先が這う。
「良かったら、ここで住み込みで働かない?
もちろん、君が欲しい金額を言ってくれたら
100万でも200万でもお給料として払う。
夏休みの1ヶ月だけでいい。
奨学金だって返せるし、悪い話じゃないはずだ」
ことりから指を引き抜くと、そのまま彼女の首に手を回す。
タイトに抱かれて、首筋に熱い口づけを落とされた。
「あ、ちょっと…ッ!」
「君は絶対にここに戻ってくるよ。
これは、戻ってくる呪い」
不意に体の拘束が解かれ、振り返りながら起き上がると
それよりも素早く高槻の手が伸びて来て、ことりを捕まえた。
「次来るときには、契約書を作っておくから
荷物をまおめて、ハンコを持っておいで」
美しい瞳と柔和な顔に見つめられ、ことりは精一杯睨みつけたが
その顔が近づいて来たかと思うと
耳の下を舐められた。