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呪いのしるしを、君の体に。
第3章 3
その後、駅まで送ってもらったのだけれども
心臓の鼓動が鳴り響いて、それどころではなかった。
『何、この人、いったい何考えて…』
着いたよ。
その声に現実に引き戻され、前を見ると駅に到着していた。
先ほどと何も変わらない高槻は、ニコニコしながらことりを見つめる。
「夏休みが始まるのはあと2日かな?
待っているから、駅についたら連絡をいれてね」
「いや…私来ないですよ…」
「そうかな?」
いたずらに微笑むと、高槻はことりの膝の上にあった両手を
素早く片手で押し付けて身を乗り出して来た。
「な、離してください…!」
「彼氏もいるって言ってたし、男慣れしてないわけじゃないだろう?」
そのまま迫って来て、ことりは思わず目をつぶる。
ことりの首筋に、チクリと唇が刺さった。
「っやだ!…やめて!」
「僕の呪いは来てくれるまで消えない。
このアザを見ながら、どうするべきか考えるといい」
「…私、彼氏いるんです! それに、これ以上何かしたら…」
「だから? じゃあ、警察呼ぶ? すぐ、そこに交番があるよ」
その反逆的な態度が拍車をかけたのか
高槻は優しい瞳でことりを見つめたかと思いきや
さらに首筋に唇を這わせた。
「っ…」
「いい反応だね。もしかして、もうこっちも濡れてる?」
高槻の手が、す、とことりの太ももに伸び
そのまま下着との境界線をなぞった。
「やめっ…!」
ことりの声に、高槻は何事もなかったように手を離す。
ことりは真っ赤になって彼を睨みつけた。
「絶対来ません!
送ってくれてありがとうございました!」
「待っているよ、水島ことりくん」
ことりは慌てて車を出る。
振り返りもしないで、首に手を当てて改札へと走った。