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呪いのしるしを、君の体に。
第5章 5
「ダメ、先生危ない!」
ことりは思わず彼の手首に掴みかかった。
「大丈夫だよ」
「何アホなこと言ってるんですか、ダメです!
商売道具の手を傷つけちゃったらどうするんですか!」
高槻はあまりにも真剣なことりに驚き
そしてカップの破片を置いた。
「私が片づけるんで、あっち行っててください!
弁償するので、お給料から引いておいて!」
そのまま慌てて箒と塵取りを取りに行き
戻ってきて作業しようとかがみこむと
真後ろから高槻が覆いかぶさってきた。
「ちょっ、先生!」
「いや、さっきのことり君、すごくかっこよかったなって思って…。
思わず惚れちゃうね…女子だったら」
からかっているのか、高槻はことりの長い髪の毛に触れる。
「いい加減にしてください。どうせ私は男勝りですよ。
ほっといてください。
それから、作業の邪魔なんで、どいてください」
「嫌だと言ったら?」
「このまま誰もコップを片付けないことになるだけです」
高槻は笑いながら離れた。
「次に変に近寄ってきたら、バカツキ先生と呼ばせてもらいますからね!」
「ははは。分かった。
それを片付けたら、着替えてからキッチンに来て」
ことりは怪しい、と思いながらも
割ってしまったバカラを片付け
ついでに着替えてからキッチンへと向かった。