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呪いのしるしを、君の体に。
第6章 6
きっちり1時間後。
ことりは支度を済ませると、玄関へと向かった。
「ちゃんと用意できたね。二日酔いは大丈夫?」
「ええ、まあ」
「あれだけ口移しで水のませたから、大丈夫だよね?」
『この男は!』
ことりはかっとなって高槻をにらみつけた。
睨まれた方は平然と、にこにこしている。
『確信犯だ、この男』
ことりはむかむかと腹が立って
高槻の伸ばした手を払って、靴を履いて立ち上がる。
「ええ、おかげさまで。
先生の“口移し”のおかげで、今日も私は元気です!」
わざと強調して言いはなつと
「じゃあ、これからは僕が飲ませてあげようか?」
と顎を持たれて顔を覗きこまれた。
「結構です!
この、セクハラ大魔神!
ドスケベじじい!
さっさと行きますよ、バカツキ先生」
「はいはい。元気がいいのはわかったよ。
でも、じじいって年齢じゃないんだけどな…」
全力で振り払って、ありったけの罵詈雑言をぶちまける。
高槻はにこにこしながら、家の鍵をかけて
2人で車に乗り込んだ。