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呪いのしるしを、君の体に。
第7章 7
扉のガチャリと鳴る音さえも
気をつけなければと思っていたので
ことりは寝る前に
その『進入禁止エリア』の扉に
小さな紙を噛ませていた。
こっそりと自分の部屋を抜け
高槻が寝ていることをもう一度確かめてから
ことりはその隣の部屋に入り込んだ。
『わ、ここすごい…』
中は、図書館かと思うほどに
書籍で溢れかえっていた。
所狭しと並ぶ本、本、本。
ワクワクが止まらなくなる一方で
早くみなみ七瀬を見つけなくてはと思った。
『先生の性格だから…』
並んだ本をゆっくり見る。
『やっぱりそうだ、名前順だ』
文庫本、出版社、ハードカバーの種類はバラバラでも
きっちり作家順に並べられていた。
ちょうど入り口入ってすぐのところが
『み』だったので
ことりはすぐにみなみ七瀬を発見することができた。
すぐさま手に取り
こっそりと部屋に戻る。
『やった!』
ことりはその自費出版本を大切に持つと
部屋に戻って
読書にふけった。