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呪いのしるしを、君の体に。
第7章 7
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「…やっぱり天才だわ…」
たった数百ページの文章に
キラキラした美しい生命力を感じられる文章。
現在刊行されているものとは
また一味も二味も違った文章に
ことりは大満足だった。
時間を見ると、24時半。
そっと自室を出て、『立ち入り禁止』の書斎へと入った。
『み』のつく作家が並ぶエリアに行き
そこに本をそっと戻した時。
「何しているの、ことり君」
「!」
高槻が本棚に寄っかかって
腕組みをしながらことりを見つめていた。
「え…と…」
「僕が、寝ていると思っていた?」
ことりは絶句した。
心臓がガンガンと音を鳴らすほどに
驚きすぎてわけがわからなくなっていた。
「こっちにおいで」
声音は穏やかだけれども
絶対的な存在感。
服従しないという選択の余地はない。
「ほら、早く」
「はい」
手を取られると
そこに高槻はキスをする。
それが、始まりの合図だった。