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呪いのしるしを、君の体に。
第7章 7
書斎にはもう1つ扉があって
それが、高槻の部屋とつながっていた。
シーツや枕は高槻が洗濯機に入れてくれるので
部屋の掃除に入るのは週に1回。
そして、先週は自分でやるからいいよと高槻に言われていたので
ことりは高槻の部屋に入ったことはなくて
これが初めてだった。
ことりは手を持たれたまま
高槻の部屋に通される。
シンプルでセンスのいい部屋だった。
「さ、ここに座って」
ことりは言われるがままに
ベッドに腰掛ける。
『どうしよう…怒られるよね』
ことりの胸のうちを分かってか
高槻はにこりと笑った。
「ことり君は、契約違反をしました。
合っているね?」
「はい…」
「入ってはいけないと言われた部屋に入りました。
これも、合っているね?」
「はい…」
「入ったら、お仕置きをされるという約束でした。
…合っているね?」
ことりは声さえ出せずに
コクリと頷いた。
「お仕置きは、あの…乙女の心情って言われたから…。
大したことじゃないかと思って」
「乙女の心情は恥ずかしさの極みだと思ったんだけどなぁ」
「別に、乙女じゃないですし私」
男勝りな性格に、自分でも腹が立つほど口が達者だった。
弱みなど一見無いように見えるからこそ
実はとてももろいことをことりは分かっていない。
「君の恥じらう姿を見て楽しむって、すごく性格悪いね、僕は」
「…性格良いって思ったことないですから」
高槻はさらに笑いながら隣に座ると
優しくことりの頬に手を当てて
そのまま口づけを交わした。