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秘愛
第3章 なにがあったの・・?
いつものような覇気が感じられない。
ストレスやら疲れやらで
じつは体のどこかが不調なのが原因ではないか、と遙香に訊ねるが、
「・・ううん、ちがうの・・・」
髪を揺らし首を振る。
ため息の後すぐにタバコに火をつけた。
深く煙りを吸い込み、勢いよく宙にむけて吐き出す。
立ちのぼる煙りを遙香は黙ったまま見つめている。
きっと、その理由は今話す事じゃない、
そう思っているから何も言わないのかもしれない。
察した孝明はそれ以上聞くのを止めた。
「奥村さん、気晴らしにまた飲みに行きましょうよ。
今夜あたり、どうです?」
遙香はうっすらとした笑みを浮かべた。
「・・ありがとう。でも今夜は明日の準備があるから・・」
「じゃあ、明日、金曜だし、会議も無事に終わるだろうし。
その後で、ね?
仕事が終わったら待ってますから、ここで」
遙香の返事も聞かず、一方的にハイ決まり!と声をあげると孝明は、
足早に喫煙室を出た。
きょとんとした顔で自分を見ている女に、
ガラス越しに手を振る。
遙香のため、というよりも自分が望みを叶えられたことに、
口元も心も緩んでいった。
ストレスやら疲れやらで
じつは体のどこかが不調なのが原因ではないか、と遙香に訊ねるが、
「・・ううん、ちがうの・・・」
髪を揺らし首を振る。
ため息の後すぐにタバコに火をつけた。
深く煙りを吸い込み、勢いよく宙にむけて吐き出す。
立ちのぼる煙りを遙香は黙ったまま見つめている。
きっと、その理由は今話す事じゃない、
そう思っているから何も言わないのかもしれない。
察した孝明はそれ以上聞くのを止めた。
「奥村さん、気晴らしにまた飲みに行きましょうよ。
今夜あたり、どうです?」
遙香はうっすらとした笑みを浮かべた。
「・・ありがとう。でも今夜は明日の準備があるから・・」
「じゃあ、明日、金曜だし、会議も無事に終わるだろうし。
その後で、ね?
仕事が終わったら待ってますから、ここで」
遙香の返事も聞かず、一方的にハイ決まり!と声をあげると孝明は、
足早に喫煙室を出た。
きょとんとした顔で自分を見ている女に、
ガラス越しに手を振る。
遙香のため、というよりも自分が望みを叶えられたことに、
口元も心も緩んでいった。