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白堊の彼方へ
第1章 その温もり


「そんな顔されると気になるでしょ」

有紗の剣幕に負けたのか蒼は口を開いた。

「こんな風に二人で空を見る事が出来るなんて幸せだなって。

これが永遠に続けばいいのに」

繋いだままだった手を握り直しながら真剣な表情で言う蒼に目が離せなかった。

「私は暫くここにいるから一緒に見れるでしょ」

有紗のその言葉には答えずまた空を見上げた蒼に有紗は首を傾げた。

蒼の服装からここに入院しているわけではないのはわかる。

例え有紗が退院しても互いに連絡を取り合えばいい。

蒼の言葉に深い意味はないのだろうが何故か有紗は引っかかった。




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