- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
よくある恋愛モノ
第11章 新たな日々へ
「でもそれは……」
「うるせーなっ、そんなに行きたいならお前だけ行けばいいだろ!」
凪は思わず起き上がって怒鳴った
だが、凪が本気で怒っても、美和は目をそらさない
「……はぁ」
昔からこの瞳には弱い凪
「わかった……」
しぶしぶ負けを認めたのだった−−−
そして迎えた、お見送り当日
退院はしていたが、凪は大事をとって学校には行っていなかった
“まぁ、来ようが来まいが凪にはあんま関係ないんだろうけど”
「まぁ、なんにせよ……」
「ん?」
隣で発せられた呟きに凪は振り向く
「凪が元気になって良かった」
笑ってそう言われると、凪の耳が赤く染まった
ポンッ
何も言わずに美和の頭を優しく叩く
「でももう無茶はしないでよ!」
「ふん」
凪は鼻で笑った
「それはどうだか」
「まさか本当に来るとは思わなかった。しかも和泉くんまで連れて」
「……帰る」
相変わらずの険悪ムード
「凪!」
必死で止める美和
「で、わざわざこんなところまで来てなんなの?」