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よくある恋愛モノ
第3章 ナギサ
相変わらず子供みたいな……
「報告ですけど」
「そういうのを告げ口っていうんだよ!」
「何怒ってんの、くだらない。親が学校での子供の様子を把握するのは当たり前でしょうが」
「お前の頭にはプライバシーとかプライベートって単語がねーのかよ」
「あんたの頭には暴力とかおどしって言葉しかないんだね」
「別に脅しじゃねーだろ! かんけーねー人間に口出されてムカつかないヤツがどこにいんだよ!」
いくら普段スカシていても所詮は16歳。すぐに熱くなる。
そんな凪に、美和はため息を洩らして呆れた表情を見せた。
「とにかくうぜーってんだよ。二度と告げ口すんな!」
凪はそのまま荒々しく校門をくぐる。
遠くから一部始終を見ている人間がいたことにも気づかず−−−
「あっ、凪さん凪さん!」
「うっせーよるな」
凪は寄ってきた寅を突き飛ばすと、校舎内に消えた。
「和泉くん、何かあったの……?」
遠くから美和と凪を見ていた星来が寅に近づいた。
「いや、わかんないっすけど……最近イライラしてんすよね。美和さんが傍にいるとちょっと変なんすよ」