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よくある恋愛モノ
第7章 変化
−和泉くんだった−−−
「んだよてめー!」
チンピラたちは突如現れた男に一斉に殴りかかる
が、チンピラが弱いのか凪が強いのか
凪は全ての拳をかわすと、小馬鹿にしたように鼻を鳴らした
「相手にする価値もねーやつらだな」
「ふざけてんのかコラ!」
見るからに中坊というやつに馬鹿にされ、チンピラはますます逆上する
「……負け犬の遠吠えだな」
凪は頭の良さも披露すると、リーダーの攻撃を払い代わりに腹に拳を突き入れる
「ぅ…うぉ……」
チンピラが一瞬怯んだ隙に、凪は星来に話し掛ける
「お前、走れるか」
「え……は、はい」
星来は凪の登場により落ち着きを取り戻し、恐怖心など微塵もなかった
“頼もしい−−−”
凪には、人にそう思わせる何かがあるのだ
「合図したら全力で走れ」
そう伝えると再び立ち上がったチンピラに向かっていく
チンピラは凪にすっかり気を取られているようだ
「今だ、走れ!」
「あ、ありがとうございま……」
星来は安堵のあまりこの状況下で丁寧にお礼を述べようとした