- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
よくある恋愛モノ
第10章 そして、確信
「最近いーかんじじゃーん」
「べ、別になんもないし……」
「えー、うっそー、和泉くんとかしょっちゅう美和のこと見てんじゃん」
ドクン
「そ、そんなこと……」
「まっ、また何か進展したら教えてよ! じゃねー!」
調子の良い友達はそのまま帰ってしまう
「もう…っ…」
“凪が私のことを見てる……?”
自分より他人の方がよく分かってることもあるんだなぁ……
美和はまた気持ちが揺れ動くのを感じた
「ねーねー」
凪……今日家にいるかな……
「そこの彼女」
やっぱりちゃんと話聞いた方がいいかなぁ……
「ねえってば!」
美和はいきなり肩を掴まれぎょっとした
「え、な、何?」
「キミ、かわうぃーね」
え、まさかナンパ? こんな住宅街で?
「おい、馬鹿やってんじゃねーよ」
3人組のリーダーとおぼしき男がナンパ男を押し退ける
「さっき『和泉』って聞こえたんだけど、『和泉』って『和泉凪』のこと?」
「え?」
「キミさー、よく和泉と一緒にいるコだよね?」
再びチャラ男が話し掛けた
「つか和泉と同じアパートに入ってくのオレ見たぜ」
もう1人の男も会話に加わる
「え、まじ? 同棲してんの?」
「やらしー」
「違います! 変なこと言わないでください!」
身内で盛り上がる男たちに美和は怒鳴った
「あんなやつじゃなくてさ、オレらと遊ぼーぜ!」
そういうと、男たちは美和を取り囲む