この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
rena's world story☆h.a.s.r.r.y
第10章 作者自己満企画 *☆* one scene love
side…☆…沙月
高台から湘南の海が一望できる、絶景ロケーションが売りのお洒落カフェ。
開放感いっぱいのオープンテラスは、カップルや女子達で溢れていて
夕陽が美しく輝く地平線を、それぞれがうっとりと眺めている。
「── お隣り宜しいですか?」
穏やかな海を正面にしたカウンター席に座って、2杯目のビールを口に含むと
頭の後ろから色気ある男の声が降ってきた。
……普段、私に敬語なんて使わないくせに。
「宜しくありません」
振り向かずにツンとした声でそう答えたのに
その男は構わず私の隣りの席に腰掛けた。
チラッと動かした私の右目に映るのは、整い過ぎの美しい横顔。
レイヤー入りの強めのパーマが、潮風でふわりと揺れる。
「誰かと一緒?」
「2人に見えるんですか?」
「見えないからナンパしたんだよ。
一緒に飲もうぜ」
「飲みません。大迷惑です」
凍りつくように冷めた返事を聞いて
反対側に座る女の子達がギョッとした顔を私に向けた。
……そりゃそうだ。
普通こんなイケメンに声を掛けられたら、断る女なんて100%いない。
……ここまでの会話は演技だけど
「見ての通り、ヤケ酒してるんです」
ぶっきらぼうにそう言って、残りを一気に喉に流し込む。
「とっくの昔に清算したはずだった、誰かさんの黒歴史。
ここにきて新たな8人目が発覚するなんて」
「………」
「楽しい休日デート中に、まさかの遭遇。
飲まずにやってられるかってのよ」