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rena's world story☆h.a.s.r.r.y
第10章 作者自己満企画 *☆* one scene love
「機嫌直せよ、沙月」
口角を上げて笑う莉央に、反省の色は全く見られない。
「偶然会っちまっただけ。
解毒は他の女達と同時期に終わってる」
「………」
「俺が好きなのは沙月なんだよ。
お前しかいないって何度も言ってんだろ?」
分かってます。
ちゃんと分かってます。
だけど相手の女性は
偶然の再会で恋心が蘇ったのか、未練アリアリです!って目をしてた。
~~気持ち分かるけどね!
なぜか今でも日に日にカッコよさが磨かれてる気がするし!
「今、最後のサヨナラしてきたから。
これで間違いなく完済」
「………」
「んなことより次何飲む?
なんでも奢ってやるから好きなだけ頼めよ」
……彼女が隣りにいるっていうのに
メニューを近付ける莉央に、女性客からハートの視線が注がれる。
……完済しても、また新たな勧誘が尽きない気がするんですけど。
「……奢るなんて
そんな単純なことじゃ私の機嫌は直らないわよ」
と言いつつ、次は高いお酒にしてやろうとメニューに視線を落とすと
「沙月、手出して」
「……は?」
「いいから」
見本を見せるように、ひらひらと手を振られた。
突然の意味不明な発言で、怪訝な顔を莉央に向けつつも
言われた通り軽く右手を上げると
「………!」
莉央の左手に、ぎゅっと掴まれる。
「俺は、こんな単純なことで嬉しくなるんだよ」
「………!!」
「心があったかくて、お前と手を繋ぐだけで感動する」
「………っ」
「どうしようもねぇくらい沙月に惚れてる。
……だから」
過去のことはごめんなって、莉央が耳元で小さく謝ったから
単純な私の不機嫌は、一瞬で吹き飛んでいってしまった。
one scene love【r】…☆… END♡