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rena's world story☆h.a.s.r.r.y
第10章 作者自己満企画 *☆* one scene love
「恋する乙女だなぁ、春菜」
しみじみと呟いた遼くん。
その声でゆっくりと体を起こすと
コーヒーを飲みながら、遼くんは桜の木を見つめていた。
「いいな、俺も恋しよう」
「………!」
「相手が気になって溜息ばかり出ちまって
仕事も手に着かなくなる程、想いが募って仕方ねぇ……的な」
「………」
「俺もそんな恋愛がしたい」
黒髪をキラキラと反射させて
微笑んだ遼くんに横目で見られて、ドキッと心臓が跳ねる。
……恋しようって……本当に……?
「……これから、探すの?」
「探すよ。
いつまでも宮本とゲイごっこしてるわけにもいかねぇし」
「じゃあ女性ってこと?」
「……当たり前だろアホ。
桜より春菜より、もっといい女を探す」
「………!」
「見つかったら紹介してやるよ」
ギュッと胸が締め付けられて、目を逸らして
「……うん」
返事をする声がちょっとだけ掠れてしまった。
……そっか、そうだよね。
遼くんも、次の一歩を踏み出す時が来たんだよね。
「応援してるね、遼くん」
「………」
「素敵な人、世界中にいっぱいいるから…」
「いねぇよ」
「………!」
「お前よりいい女なんて、いるわけねぇだろ」
……えっ……?
その低い声にドキッとして、再び右側に視線を戻すと……
「……なんて。
アレに乗れるようになって海を越えたら、見つかるかもしれねぇな」
「………っ」
「── 未来は、自分次第だよな」
自分に言い聞かせるように、小さく微笑んだ遼くんの瞳に
青空に真っ直ぐ白い線を引く、飛行機雲が映っていた。
one scene love【r】…☆… END♡