この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
rena's world story☆h.a.s.r.r.y
第2章 ♥初顔合わせ
「ど、どうぞこちらへ」
「………」
「今夜こちらのフロアは、急遽貸し切りになり、ましたので……っ」
翔ちゃんに言われてきたであろう、私と同い年くらいの女性の店員さんが
尋常じゃない程震えた手で、テラス席のゲートを開けてくれた。
海から吹き抜ける夜の潮風は、心地良いはずなのに
1階席には無かった、圧倒的に違う空気のせいで冷や汗が止まらない。
……私の足が止まってしまったのも、この普通では無いオーラを感じたからだ。
「お連れ様がいらっしゃいました」
そう言って私を前に差し出した店員さんが
この眩いエネルギーに耐えられないとでもいうように、一目散に去っていく。
……ウッドデッキの各所に置かれたキャンドル、張り巡らされた水路。
バリのリゾートにでも迷いこんだような、一流のヴィラのような空間。
椰子の葉で編まれた屋根の下に、ソファーが並んでいて
……海に面した外側の席に、オーラの源が集結していた。
……ねぇ、待って。
落ち着いて。
あの人達は……私と同じ、人間、で、すよね?