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第4章 ♥こいつが１番カッコイイ

……貴方にとっては、 “ 初めまして ” でも

私は貴方のことを知っています。


─── 俳優、七瀬隼人

……こ、こんなことって……



「あ、綾瀬……沙月です」

「沙月ちゃん？」

「は、はははい……っ」


彼の周りに、得体の知れない虹色の覇気が纏っていて

返事はおろか息をするのもままならない。


……テレビには殆ど出なくても

映画や舞台で何度も男優賞を受賞していて

海外ブランドの広告や、雑誌にも数多く掲載されている彼を


……この日本で知らない人なんで、もはや誰もいないって断言できる。


「沙月ちゃんって呼んでもいい？」

「……！！」

「あ、だめ？」

「い、いえ滅相もございません！
よ、呼んで頂くほど大した名ではあ、ありませんが……！」

「そんなこと無いよ。すげー綺麗な名前」

「………っ」


……ダメだ、なんだかもう泣きそう。

さっきの莉央の紹介もあって、心臓が破裂しそうで胸が痛い。



……凄い。

凄過ぎるよ。

本当に、本物だ……