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rena's world story☆h.a.s.r.r.y
第4章 ♥こいつが1番カッコイイ
「36歳だって」
「……えっ!?」
「すげーよな。奇跡だよ」
私の手を握ったまま、私の隣りで莉央が笑う。
……確かに、この人に中年なんて言葉は一切当てはまらないけど
年齢とか若いとか、そういう話以前のことなのではなかろうか。
再びグラスを手にしたその長い指も
肘の少し上で、捲ったシャツの袖から覗く引き締まった腕も
これでもかってくらいの、信じられない色気で溢れてる。
……っていうか
自信のない男は着るなと、暗黙のルールが浸透している黒シャツ……
こ、こ、こんなにサラッと着こなせてる人初めて見ました……!!
「沙月ちゃん、グラスは?」
「は、はい!! えっと……」
「アンジーの席に置いたまま?」
「そ、そうかもしれませ……」
……顔を上げたと同時に、気付いた。
少し離れた位置にある、アンジーさんと加賀谷さんがいるテーブルよりも
こっちの方が、空瓶がいっぱいなんですけど……