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rena's world story☆h.a.s.r.r.y
第4章 ♥こいつが1番カッコイイ
ふわっと夜風が舞って
私の肩に頭を乗せたままの、莉央の髪が揺れる。
……莉央を見つめる加賀谷さんが、なんだかすごく綺麗で
胸が痛くて、無性に切なくなってきてしまった。
「……就職して、出会った頃からずっと
何度も宮本に救われてるんだ」
「……!」
「ありがとうなんかじゃ足りねぇくらい、感謝してる」
「……っ」
「こいつと違って、俺は言葉にすることが上手くねぇから
……伝えておいて」
……加賀谷さんの、莉央への想いが胸に響いて
破裂しそうで、視界がぼやけて彼が見えなくなる。
今日1日、2人が何を見て
何を話して過ごしたのかは分からないけど
私は大きく頷いて、莉央の体を強く抱きしめた。
「……綾瀬」
涙が溢れそうで、思わず夜空を見つめると
「こいつの兄貴も、彼の友人も
カリスマ的なあの人も……皆いい男だけど」
「……!」
「俺は、宮本が1番かっこいいと思うよ」
「………っ」
……星空よりも、もっと美しい
加賀谷さんが最高の笑顔を見せてくれた。
「……その手を、離さないでやって」