この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
rena's world story☆h.a.s.r.r.y
第5章 ♥離れないで
……だめ、だ、軽く呼吸困難なんですけど。
加賀谷さん、あなた分かるって……そんな同情して合わせなくてもいいのに……
数時間前までスッピンで寝っ転がっていたのが、私の本来の姿だというのに
一体どこをどう見れば世界一かっこいいなんて思うんだろう。
「……ほんと、信じられないわ」
莉央のお水を膝の上に放り投げられて、思わずそう呟いてしまった。
「信じられない?」
「1年前、愛せないって人をテーブルに叩きつけた男が
まさかこんなにも変貌を遂げるなんて……」
「……!」
「人って変われるのね……」
嵐のような去年の春を思い出して、しみじみと1人で頷く私。
今は無き地球外生命体に、色々と振り回されてたなぁ。
あれからもう1年も経ったんだ。
ほんと月日が流れるのは早い。
「張本人のくせに」
「………!」
「他人事みてぇに言うんじゃねーよ」
東京湾に映る吊り橋の灯りを、見つめていると
携帯灰皿に煙草を潰して、莉央が溜息をついた。