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rena's world story☆h.a.s.r.r.y
第5章 ♥離れないで
……莉央の前髪が揺れて、繋いだ手に触れる。
……驚きすぎて、声が出ない。
莉央の震える肩を抱きしめたいのに、体が動かない。
「……例え、兄貴達が
俺が加賀谷に伝えたのと、同じ言葉を言ってくれたとしても
誰か代わりの女を見つけることも、求めることも二度と無いんだ」
「……り、お…」
「取り戻した心は、お前だけの為にある」
「………!」
……振り絞るような、掠れ声。
頭を起こした莉央が
そのまま、私の右肩にコツンと額をくっつけた。
「沙月」
「……莉…」
「どこにも行くなよ」
「………っ」
「絶対に、どこにも行くな」
繋がれた手を、更に強く握られる。
「楽しませる術はいくらでもある。
辛い事は、一滴残らず取り除いてやる」
「………!」
「沙月が一生笑っていられるように
俺が、全てを懸けてお前を守るから」
「………っ」
「……だから
離れないでくれ……」