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rena's world story☆h.a.s.r.r.y
第5章 ♥離れないで
莉央への想いを口にしたら、更に涙が止まらなくなった。
悲しいとか、切ないとかじゃないし、嬉しいっていうのとも少し違う。
この涙の意味を言葉で表現するのは難しい。
……ただただ、莉央が愛おしい。
「………!」
めいっぱいの力で抱きしめていた腕の中で
莉央の体が動いて、ゆっくりと上体が起こされた。
……もしかしたら莉央も……なんて
ちょっとドキドキして、その瞳を見つめると
「……おい」
予想に反して、いつものポーカーフェイスで睨まれる。
「なんだよその顔」
「……え?」
「なんで泣いてんだよ」
「……! な、なんでって…」
思いっきり不機嫌そうな顔で、深く溜息を付かれたけど
~~~この状況で泣くなって言う方が無理があるでしょーが!
つーか誰のせいだと思ってるのよ!
「~~だって莉央が…」
「うるせぇ、黙れ」
「………!」
相変わらずの暴言で遮られたけど
……同時に、莉央の人差し指が私の頬を撫でた。
「……泣くな」
「………っ」
「泣くなよ、沙月。
……笑った顔が見たい」