この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
rena's world story☆h.a.s.r.r.y
第5章 ♥離れないで
……心臓が、忙しい。
再びきゅうっと締めつけられる。
「……笑えない、よ」
「なんで?」
「莉央が……泣いてるから」
「………!」
「心の中で、泣いてるでしょ?」
私の涙を拭う人差し指を、そっと自分の手で握り締めた。
じっと見つめる莉央の瞳に、私が映っている。
「……泣いてねぇよ」
莉央の指が、私の指に絡まった。
「加賀谷の伝言を、聞けたから」
「………!」
「沙月の想いも伝わったから」
「………っ」
「……お前、やっぱり最高だな」
莉央の額が、私の額にくっついて
ドキンと心臓が大きく跳ねる。
「二夫ー妻制、やめた」
「……えっ!?」
「お前は俺の。誰にも渡さない」
「……っ///」
「……絶対に」
反対側の手で、ぐいっと肩を抱えられて
……唇が重なる直前に、莉央が小さな声で囁いた。
「愛してるよ、沙月」