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rena's world story★a.n.r.r.y
第2章 招待状と秋の風
あー、マジですげーわ。
美和の周りに鬼火が見える。
風呂上がりの火照った体が、急激に冷えていってんだけど。
「……いや、お前さ」
全身から不機嫌オーラを放出してるのは、明らかだから
静かに美和の頭から手を外して
俺は右肩をラックに付けて、その横顔を見下ろした。
「その態度に、正当なツッコミを入れてやろうか?」
「………」
「 “ 私聞いてないんだけど ” ってのは違うだろ」
「……そんなこと言ってないもん」
招待状をガン見したまま、美和が頬を膨らませる。
あーあー出た出たこのパターン。
私にも言い分があるっていう定番の顔。
だけど
伝えたことは間違いないから、ここで俺が折れる必要は無い。
「 “ 蓮の結婚が決まった ” 」
「………!」
「 “ お相手は兼ねてから交際していた国際線CA ” 」
「………」
「ちょうど梅雨明けした7月頭。
この部屋で、お前が作ってくれたメシを食いながら」
「………っ」
「しっかり報告した記憶があるんだけど?」