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rena's world story★a.n.r.r.y
第2章 招待状と秋の風
招待状をラックに置いて、ぎゅっとTシャツの裾を掴んで
口をへの字に曲げた美和が、俺を上目遣いで睨みつけてきた。
「………」
……その小動物みたいな目、やめろ。
潤んだ丸い瞳が、俺の心臓をザクザクぶッ刺してくる。
「結婚式が、10月とは聞いてなかったもん」
「そーいや日にちは言ってねぇな」
「もう3週間後じゃない。ヒメのバカ」
「……!」
「バカ」
「………」
蓮ごときで、なんで俺は2回も馬鹿と言われにゃいけねぇの?
お前がきっとこうなるって事が予測出来ていたから、言うタイミングを見計らっていたんだろーが!
こっちだって気ぃ遣ってたっつーの!
……って
気付いたらあと3週間しかねぇのか。
「……あいつのタキシード姿、ちゃんと写真撮ってきてやるよ」
「………」
「そんで大好きな蓮くんを、この棚に飾ればいい…」
「ヒカルちゃんは、行くのかな」
「……あ?」
「この前本社に来た時、何も言ってなかったけど」