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rena's world story★a.n.r.r.y
第5章 2人で、一緒に

……去年と、一緒。
また見えない力で、彼に背中を押してもらっちゃった。
姫宮さんも、瀬名さんも
蓮の周りには、なんて素敵な人達で溢れているんだろう。
「……あっそ」
彼の目にはきっと、あの日と同じ吹っ切れた顔の私が映っている。
ふっと微笑んだ彼がソファから立ち上がった。
「その調子で、しっかり蓮を繋いでやってくれよな。
またこっちに来られたら困る」
「……!」
「心配の種はあの男だけなんだ。
他の野郎なんて、俺の足元にも及ばねぇっつーのに」
「……ふふっ♡」
続いて立ち上がると、彼が私のバッグを持ってくれて
そのまま2人で出口に向けて歩き始める。
「もし今度来たら、容赦なく殴り返すって言っといて。
11年前の借りが残ったままだし」
「……えっ!? 蓮が・・・殴る!?」
「あぁ、高3のクソ寒い時期にぶっ飛ばされた。
……あーでもあれは俺が先に……」
「れ、蓮が、殴る……」

