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rena's world story★a.n.r.r.y
第5章 2人で、一緒に

……私の知らない青春時代の話を聞いて、制服姿の蓮を想像してみる。
過去はほとんど話さない蓮だけど、きっとモテただろうなぁ。
私も彼らと同じ高校に通いたかった。
って、それじゃ今のような関係にはなれなかったかな。
勝手な妄想で1人笑いながら、通路の扉を開けようとした……
……その時
「瑠璃さん」
私を呼ぶ声が、後ろから聞こえて振り返ると
夜景をバックにした姫宮さんが、数メートル後ろで立ち止まっていた。
……風が、彼の髪を揺らす。
「……ごめんな」
「………!」
「あんたには、ずっと謝りたかった」
……えっ……?
その言葉に驚いて、声が出せない。
大きく目を見開く私を見てから、姫宮さんが視線を落とした。
「……美和を……彼女を救う為とはいえ
蓮に相当な労力と負担をかけたのは事実だ」
「………!」
「あいつだから、上手くできた。
それでも制裁方法を一歩でも間違えたら、今まで築いた全てをぶち壊す……
蓮自身を危険に晒す程の、相当なリスクがあったと思う」
「………」
「……何も言ってこねぇけど
きっと今でも残骸処理を続けてる」

