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rena's world story★a.n.r.r.y
第5章 2人で、一緒に

“ 一条の派閥が、完全に崩壊した。
まだ東側の幹部の連中しか知らないが……後夜祭の始まりだ ”
“ 瀬名、結局一番手が掛かるのは内部だぞ ”
“ あぁ分かってる。
ご機嫌取りながら片付けてやるさ ”
「……あ……」
“ どうしたの? 何かトラブル? ”
“ ちょっとね。去年の掃除が終わってなくて ”
「………」
2週間前、険しい表情で瀬名さんと話していた蓮を思い出す。
……もしかして……?
「あの、姫宮さん…」
「俺よりもずっと先を走り続けるあいつを
俺は直接助けてやることが出来ない」
「………!」
「……出来ることは、何でもしたいけど
残念ながら俺は、その能力すら持っていない」
……静かにそう話してから、彼はゆっくりと視線を上げた。
「……だけど、あんたなら出来る」
「………!!」
「蓮を誰よりも理解し、人生を共にするあんたなら
あんたにしか出来ない形で、あいつの心を照らしてやれる」
「………っ」
「俺の代わりに、助けてやって。
……ただ、傍にいるだけでいいんだ」

