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rena's world story★a.n.r.r.y
第5章 2人で、一緒に
「………っ」
心に満ち溢れる、感謝の気持ちを
どんな言葉なら彼に伝えることができるだろう。
……伝えたいのに胸がいっぱいで、声にすらならない。
私の涙腺は完全に崩壊してしまった。
「ユーリの彼女は、まだ大学生なんだけど。
素直で天使みてぇだから、マジで癒されるぜ」
「………!」
「その子の友達が偶然、蓮の水泳の元教え子。
学生時代の蓮を熟知してるから、弱みが欲しけりゃ聞いてみな」
……仲間の話をする彼の笑顔が、キラキラと光る。
「その他の女は、最初から人間だと思わない方がいい。
ボスライオンにタイガー、ジャガー……」
「……えっ?」
「 “ 入会 ” する前によく考えな。
あいつら絶対、あんたのこと一発で気に入るから」
「……??///」
「残念ながら、美和は既に餌食になってるけど」
「………!」
再び彼が口にしたその名前に、トクンと心臓が鳴る。
……風のように、優しく微笑んで
姫宮さんがゆっくりと私に手を差し出した。
「……俺の彼女の飯、すっげー美味いんだ」
「………!!」
「あんたの為なら喜んで作ると思う。
きっと、腹いっぱい食えるよ」
「………っ」
「……いつか、美和にも会ってやって」