この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
rena's world story★a.n.r.r.y
第6章 繋がる心

─── あぁ、ついに言ってしまった……
ずっと秘めていた本音を、やっと言葉にできたけど
直後に残ったのは、激しい後悔と……自分へのガッカリが増しただけだった。
……総合商社に勤める恋人と、結婚するのなら
妻になるのなら、必然と彼を支える立場に回るのが “ 常識 ” だ。
本社勤務で更に昇進したとはいえ、今でも海外出張が多い蓮。
瀬名さんに並んで業績トップクラスの彼は、日本に居ても家に帰れないのが当たり前。
そんな蓮の人生に、少しでも癒しを与えられるように
ホッとできる居場所を作れるように、私の出来ることは何でもしたい。
……心から、そう思っていたはずなのに……
「……実はね
今、私の両親……ものすごく怒ってるの」
「………!」
「私が悪いから、当然なんだけど」
蓮のTシャツを掴んで、顔を埋めたまま呟く。
「お嫁にもらっていただけるだけでも有難いのに、何を考えてるのって。
情けなくて、蓮に合わせる顔が無いって……」
「………」
「……ごめんなさい。
あと1週間なのに、こんなことで……」

