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rena's world story★a.n.r.r.y
第6章 繋がる心

「……また酔い潰しやがったな」
運転手の執事が外に出て、美和が座る方のドアを開ける。
俺も反対側に回ると、優香がまた深く息をはいた。
「人のせいにしないで。
今夜はこの子が勝手に飲み続けたのよ」
「嘘つけ。
毎回長時間拘束しやがって、いいかげんにしろっての」
「………」
「何をそんなに喋ることが…」
「だって、楽しいんだもの」
「………!」
肩を揺らして起こそうとした、俺の手を止めて
……優香がそっと美和の髪を撫でた。
「ウブで、未熟で、知識も経験も浅くて」
「………」
「……でも
明るくて、素直で……一緒にいると心が温かくなるから」
「………!」
「……楽しいのよ。
私も、麗子も」
……どんな時でも、氷の様な冷たい表情を崩さない優香が
滅多に見せねぇ笑みを浮かべて、優しい眼差しで美和を見つめる。
……こんな柔らかく笑う女だったか?
つーかこいつの口から “ 楽しい ” なんて、過去1度も聞いたことねぇんだけど……
珍しすぎる光景に、執事と俺は同時に顔を見合わせた。

