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rena's world story★a.n.r.r.y
第7章 祝福の日
……実の息子の晴れ舞台だというのに
疲れたとか地味だとか、終わった途端に正直に投げ込んでくる母親。
……そう、言ってる事は正しい。
友人代表としてステージに立ったユーリは、その綺麗な顔と持ち前のトーク力によって
上層部が勢揃いして、どこか緊張感が漂う披露宴の雰囲気を
いい意味で華やかにして、全員を惹きつけて魅了した。
母親の言う通り、俺も瑠璃も
あいつによってやっと肩の力が抜けた気がしたんだ。
「……仕方ないだろ」
外したネクタイをソファに置いて、テーブルのコーヒーメーカーに手を伸ばす。
「○○航空の副社長もいたんだから、面白く出来るわけがない」
「そうね、みんな凄まじいオーラだったわね。
マフィアの集まりみたいな空気すら感じたわよ」
「緊張し過ぎて疲れたよ。仕事よりも100倍」
「まぁ~だらしないこと」
取り出した扇子でパタパタと扇ぎながら母親が笑う。
……その笑顔を見て、今更ながら
今日無事に結婚式を迎えて、披露宴を終えたということが
やっと実感として湧く気がした。