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rena's world story★a.n.r.r.y
第7章 祝福の日
瀬名に告げられた話をそのまま言うと
「それ、式場の方も同じこと仰ってたわよ」
呆れたように溜息を漏らして、母親は乾いた目で俺を見下ろした。
「招待状をお持ちでないお嬢さん達が、沢山いらしたって」
「……へぇ」
「私と同じ歳くらいの女性もいれば、お化粧をした綺麗な “ 男性 ” も来たそうよ」
「……!!」
「中には外国の方もいらしたとか。
皆さん、蓮の幸せを願うって泣いてお帰りになったんですって」
「………」
「……あんた。
“ 広い ” のねぇ……」
……扇子で半分顔を隠しながら、尚も冷めた視線を突き刺してくる母親。
学生時代もそうだけど
働き始めてからは特に、仕事でもプライベートでも沢山の人間と関わってきた。
……結婚することは身近な人達にしか言ってなかったつもりだけど
案外簡単に広まるもんなんだな……
「あんたは刺されてもいいから、瑠璃さんだけは徹底的に守りなさいよ」
「……分かってるよ」
「今日だけじゃなくて、これからもずっと守り続けるの」
「……!」
……真面目な表情に変えた母親が、真っ直ぐ俺を見つめる。
「一生離れずに、ずっと傍にいてあげなさい。
あなたは今日、皆様の前で誓ったのよ」
「………」
「母親よりも何よりも
……奥さんのことは、1番大切にしなさいね」