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rena's world story★a.n.r.r.y
第7章 祝福の日
「母さん、迎えって何…」
「これからプチ同窓会なのよ」
「同窓会?」
「大学じゃなくて高校の方ね。
もちろん私じゃなくて、あなたの」
「……は?」
ウキウキして携帯をハンドバッグにしまう母親。
控室の鏡で化粧のチェックを始めた。
「姫宮さんと中野さん♡
もうホテルのロビーにいらっしゃってるんですって」
「………」
「大変、早く着替えなくちゃ」
……その “ 息子不在の同窓会 ” は、普段から定期的にやってるんじゃなかったか?
いくら子供が中高一緒で、同じ町内に住んでるご近所とはいえ
この歳になっても集まってるんだから、呆れを通り越して尊敬する。
「なんでわざわざこっちに……
帰ってからどっかの家で集まればいいだろ」
溜息をつきながら、ハンガーから自分のコートを外すと
上機嫌の母親が鏡越しににんまりと笑った。
「今夜はね、スイミングスクールの奥様達もお呼びしたのよ♪」
「………!」
「新藤くんと陽菜ちゃんのお母様も来てくださることになったの」
「~~えっ!?
新藤さんと陽菜!?」
「懐かしいわ~。
スクールのイベントの度に、親が休日の早朝から駆り出されてたのよねぇ。
よく頑張ったわ~~私」