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rena's world story★a.n.r.r.y
第7章 祝福の日
* * *
「……蓮!」
着替える為に、一度親族の控室へと戻る母親を見送ると
新婦のメイクルームから出てきた瑠璃が、駆け足で近付いてきた。
その後ろで
終日瑠璃に付き添っていた介添の女性が、微笑みながら俺に会釈する。
「瑠璃」
「ごめんね、遅くなっちゃって。
間に合うかしら」
「大丈夫だよ」
通路の反対側へ去っていくスタッフを見送って、視線を戻すと
両手に抱えたバッグを持ち直して、息を切らした瑠璃が俺の前に立った。
「瑠璃、準備終わったの? すぐ出れる?」
「えぇ。
あのね、もう着替えも終わっちゃった♪」
「……!」
「ほら、もうこの下に着てるのよ」
ニコニコしながら、羽織ったトレンチコートの襟元を少しだけ捲る瑠璃。
ラメでキラキラと光るそのデコルテに、俺は顔を近付ける。
「見えない。もっと広げて」
「……!」
「これ外していい?」
「……だめ///」
胸のボタンに手をかけた俺を、優しく制止してきたけど
右の首筋に軽くキスを落とすと、くすぐったそうに瑠璃が笑った。