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rena's world story★a.n.r.r.y
第7章 祝福の日
「瀬名から電話がきたよ。
7時半にエントランスに来いって」
「了解……って、もう20分前ね」
「あぁ、大丈夫って言ったけど急ごうか」
瑠璃の荷物を受け取って、エレベーターへと向かう。
俺の腕に手を絡めて歩く瑠璃は、珍しく鼻歌を歌っていて
そのメロディーが心地よくて、自然と足取りが軽くなった。
「瑠璃、疲れてない?」
「全然!
緊張したけど私、最初から最後まで楽しかったわ」
「………!」
「楽しくて、嬉しくて、幸せで。
皆が撮ってくれた写真、早く見たいなぁ」
ウエディングドレスを着ていた時は、後ろに束ねていたその髪が
今度は柔らかく巻いて下ろしたウェーブに変わって、ふわりと揺れる。
……そのひとつひとつに惹かれて、胸が高鳴ってしまう。
「……綺麗だな」
エレベーターのボタンを押した瑠璃の髪を、優しく撫でると同時に
思わず心の声が出てしまった。
この台詞を口にするのは、今日何度目だろう。
「~~れ、蓮…///」
「瑠璃の何もかもが綺麗で、やばい」
「………っ」
「楽しくて、嬉しくて、幸せで。
……困るよ、ほんと」