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rena's world story★a.n.r.r.y
第8章 集合
きょとんとした表情で、同時に俺を見上げる2人。
彼女達に繋がれた両手を、わざと見せつけるように持ち上げると
前方から明らかに不機嫌なオーラが漂ってきた。
「そんなに睨むなよ」
そう言って込み上げる笑いを堪えながら、さらに一歩足を進める。
……豪華なシャンデリアの後ろには、天井まで続く一面の窓ガラス。
スカイラウンジと名付けられるラグジュアリーな空間、眼下に広がる港区の夜景。
……だけど
今俺の目の前に座る、こいつら3人の方が
更に強い光を放っているのは、大学同級生の俺から見ても明らかだった。
「陽菜も千夏ちゃんもこんなに可愛いから。
他の男を警戒して、ヒヤヒヤする気持ちも分かるけど」
「「………!」」
「今宵主役の俺であれば
手を繋いだって、なんの文句も無いだろ?」
高級黒レザーで造られた、L字型のデザイナーズソファ
……俺の挑発に
両側に座る当の2人は、煙草を咥えたまま無言だけど
「蓮、止めとけって」
ユーリと夏輝が浮かべた煙の、その真ん中で
「こいつら、披露宴から浮かれて泥酔状態だから。
……冗談すら通じねぇぜ」
ツーブロックの茶髪を光らせて
俺と同じ名前の男が、口角を上げて笑った。