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rena's world story★a.n.r.r.y
第2章 招待状と秋の風
「……ヒメ」
「……!」
目を閉じている俺の横に、美和が戻ってきた。
なんとなく反射的に、体を逆側へ向ける。
「……起きてるでしょ?」
「………」
「ヒメってば」
ベッドに入ってきた美和が、俺の背中に向けてポツリと呟いた。
蚊の鳴くような小さな声。
……10分前とは別人みてぇに落ち着いたな。
さっきの仕返しとばかりに、尚もシカトして黙っていると
「~~こっち向いてよ!」
後ろからぐいっとタンクトップを引っ張られる。
はい、終了。
控えめな態度は一瞬。
「……ブチギレて出ていったのはお前だろ」
「ごめんなさい」
「……!」
また戦闘開始かと思いきや、なぜか謝る美和。
俺の背中を掴んだまま、さらに寄ってきた。
「今日、不安定なの」
「……は?」
「1ヶ月に1回、女は必ずあるの」
「……!」
「だから……自分でも感情が保てなくて。
さっきのは、私が悪いよね」
「………」
「ごめんなさい」