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第8章 集合

「バカ言え、んな形式ばったことするか」


１人で楽しそうに笑うヒメを、会場の関係者が迎えにきて

いよいよ何かが始まるとでもいうように、メインステージに照明が向けられた。

……自然と心臓の鼓動が早くなる。


「 ユーリ、なに動揺してんだよ。
“ 社歴の短い奴には無理 ” って、お前さっき言ったじゃねぇか」

「そ、れは、披露宴の話で……冗談に決まってんだろ…」

「ヒメ、大事なもの忘れてる」


ユーリとの会話を遮ったヒカルが、手に持っている何かをヒメに渡す。

……20ｃｍ角程の、蓋がガラスになっている白い箱。

クリスタルが施された……オルゴール……？


「宜しくね」



無言で受け取ったヒメが、小さく頷くと

ヒカルはふっと笑って、渡したその箱を見つめた。



「……最後の “ １枚 ” は、10分前に受け取ったのよ」

「………！」

「アンナさんが、直前に持ってきてくれた。
……ギリギリまで考えてたんだよ、きっと」

「………」


「これで全部揃ったわ。
間に合って……本当に良かったね」