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rena's world story★a.n.r.r.y
第9章 message
……ヒメがマイクの前に立った理由と、箱に入っているであろうメッセージ。
納得したような歓声があちこちから上がる。
俺の左右でも、ユーリと夏輝が顔を見合わせて笑みを浮かべた。
「というわけで、何百って数を紹介してたらキリがねぇから
俺の独断で読む奴を抜粋します」
ステージ横のスタンドテーブルに、その箱を置くと
ガラスの蓋を開けたヒメが、中から何枚かを取り出した。
……やばいな。
ヒメの仕草のひとつひとつが、さっきから俺の胸を締めつける。
ネクタイを緩める姿を見られて、陽菜達に笑われてしまった。
「これから読み上げるメッセージは
この会場にいる奴のもあれば、いない奴のもある」
「………!」
「男もいれば、女もいる。
……あー、半分は女だな」
色とりどりの便箋やメッセージカードを手の中で動かして、ヒメが苦笑する。
そして、再びマイクの前に立つと……その視線がこっちに向けられた。
「固いこと言わずに
老若男女から慕われるあいつのモテッぷりを考慮してくれ」
「………!」
「瑠璃さんにも、事前に許可をもらってるから」
……え……?