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rena's world story★a.n.r.r.y
第9章 message

ヒメの言葉で、隣りに顔を向けると
俺に寄りそう瑠璃が、優しい笑みを浮かべて頷いた。
……その大きな瞳から、今にも涙が零れ落ちそうで
言葉に詰まって、何も言えずに視線を逸らしてしまう。
「はは、安心しろって」
顔を上げられない俺を見て、ヒメが楽しそうに笑った。
「公表できねぇようなディープな内容もあるし
互いのメンツに関わるものは、匿名にしといてやるよ」
「………!」
「じゃ、まずはこいつらから」
……胸が、ありえないくらい高鳴っている。
深く息を吐いて、ゆっくり上体を起こすと
青と黄色のポストカードを持ったヒメが、すうっと息を吸った。
「 “ 14歳の蓮が転校生として、黒板の前で挨拶した時の
女子達のドヨめきを今でも鮮明に覚えている ” 」
「………!」
「 “ そしてあの時俺は、クラスのマドンナ・加奈子(かなこ)ちゃんに恋焦がれていて
そのマドンナの心をお前が一瞬で攫ったことを、俺は今でも根にもっている ” 」
「………!!」
その始まりで、中高の集まりがざわざわし出して
……その様子を見たヒメが、ニヤッと笑った。
「 “ でもお前はすっげーいい男だから仕方ない。
結婚おめでとう。
○○中学・○○高校、98番目にいい男 中野康介 ” 」

