この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
rena's world story★a.n.r.r.y
第2章 招待状と秋の風
「……! ヒ、メ…」
寝たまま体を回して、美和の方へ向き直る。
左腕を上げて、その小さな背中に腕を回して
「………っ///」
目を見開いて、顔を上げようとした美和を
そのまま自分の胸に抱きしめた。
「………」
……あー、あったけぇ。
落ち着く。
やっぱり夏は終わったな。
こうして抱きしめる温もりが、いつもよりも心地良く感じて
美和の頭を右手で抱えて、さらに自分の方へ引き寄せた。
「……髪、乾いてねぇし」
「~~えっ!? そ、そう?
ちゃんとドライヤーしたんだけど……」
「後ろの方。
……だから俺がやるっつってんだろ」
「……うん」
濡れた毛先を気にして、腕の中でソワソワする美和。
本人にとっちゃなんでもない仕草が、俺の心の奥をくすぐる。
その頭にそっと顎を付けると
「……次泊まりに来た時は、お願い、します……」
両手でぎゅっと俺の服を掴んで、美和が小さくそう言った。