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第9章 message

「 “ 世界は、多種多様な人間達で溢れてる ” 」

「………！」

「 “ 強い者、弱い者、好かれる者、嫌われる者
……誰もが皆保身の為に、仮面を覆り自分を騙して生きている ” 」



……陽菜のメッセージカードを手にしたままのヒメが、その続きを静かに読み上げた。

俺の前で、夏輝のふかす煙草の煙が揺れている。



「 “ それでも、広い世界の中には
真面目に信念を貫き、真っ直ぐな心で戦い続ける男がいて

数年間の旅の過程で、数え切れない程の人間と携わった俺にも
……そんな気持ちのいい男が、今、仲間として傍にいる ” 」


「………っ」


「 “ お前が何も言わなくても、俺達はお前を理解しているから
誰が何を言おうが、そのクソ真面目な精神をとことん突き進めていってほしい。

これからも、ずっと
── 蓮の思うままに ” 」



……外野から見れば異彩を放つ夏輝だけど

誰よりも愛に溢れ、広い視野で物事を見据える男であることを俺達は知っていた。

世界を歩んだ夏輝の言葉だからこそ……強いメッセージが心に深く刻まれる。