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第9章 message

「 “ でも、何よりも美しくて素敵なのは
蓮さんを中心とした皆さんの、お互いを想い合う心です ” 」



ふっと笑ったヒメの声が、また優しいトーンに変わって

俺は再び胸が締めつけられた。



「 “ 誰かの為に、理由を聞かずに駆けつける……
そんな男気溢れる蓮さんが大好きで、尊敬しています。

あたしはまだ、社会にも出ていない学生ですが
蓮さんのように、大切な人を笑顔に出来る……笑い続けてもらえる大人になりたいです ” 」


「………っ」


「 “ 蓮さんと出逢うことができて、心から嬉しく思います。
ご結婚、本当におめでとうございます。

朝倉 千夏 ” 」



……心が温かくなっているのは、俺だけじゃない。

その小さな手が握り締める、隣りの男もきっと

同じ感動で震えているに違いない。



「こいつは披露宴でスピーチしたから、割愛しようかと思ったけど
彼女の兄と同じで熱いことを書いているので、 “ 公開処刑 ” します」


メッセージカードを持ち直して、ヒメが白い歯を見せた。


「フェアにいくからな、ユーリ」