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rena's world story★a.n.r.r.y
第9章 message

……普段のユーリだったら、飛び跳ねて阻止するんだろうけど

俺から見てもその目が赤くて、ソファに座ったままヒメから視線を伏せた。


「 “ スピーチの依頼を受けてから、祝辞定番の例文を色々拾ってみたけど
なんだかどの文章も当てはまらない気がして
根が真面目な俺は、お前に伝えたいことは何なのかをずっと考えていた ” 」

「………」

「 “ 地元が同じで、大学でまた再会して
なんだかんだで共にした時間は長かったから、色々出てくると思ったけど
……結局、最初に浮かんだ一言に行き着いたんだ ” 」



……そこで一度切ったヒメの声が、少しだけ掠れていて

だけどそれは……単に皆のメッセージを読み続けてきたからではなかった。



「 “ ありがとう ” 」


「………っ」


「 “ 別の道へ進んだ旧友達が、多忙の中大勢駆けつけてくれて

その呼び掛けを行い、迷惑だろってくらいの熱い想いを届けてくれたお前達に

……伝えたいのはそれしかない ” 」


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