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rena's world story★a.n.r.r.y
第9章 message
“ 俺に恋して、良かったって言ってもらえるように
大事な初恋が、最初で最後の恋になってくれるように
ちーちゃんにとって、相応しい男になってみせるから ”
“ もう一度、初めて出逢ったあの場所から始められねぇかな。
俺にとってかけがえのない、たった1人の……
この手で守りたい、愛おしい女なんだ ”
……後夜祭、大勢の学生達の前でマイクを持ったユーリの
真っ直ぐな愛の告白が蘇ってくる。
「 “ ヤケになって、自分を見失っていた俺に
光を照らし、再び人を愛する大切さを気付かせてくれてありがとう。
心が次へ進む為の、一歩を導いてくれてありがとう ” 」
「………っ」
「 “ 蓮が何かに躓いて立ち止まることがあるのなら、今度は俺が全力でお前を助けるからな。
─── バカみてぇに真剣で、暑苦しい奴らと共に。
浜崎 悠梨 ” 」
……千夏ちゃんが微笑みながら涙を流す横で
いつも笑顔を絶やさないユーリの目からも、熱い光が零れていた。
それぞれが皆、それぞれの場面を思い出しているから
こんなにも胸が熱くなるんだ。
……俺はまだ、泣いていないはずなのに
ヒメを照らす照明の灯が、滲んで見えてしまっている。